韓国語で「つらい」とは?日本語でよく使う「つらい」という言葉、韓国語では괴롭다/힘들다に加えて実は아프다もよく使います。今回は、韓国語での「つらい」について詳しく解説します!
괴롭다「つらい、苦しい」
「苦しい、悩ましい、つらい」
「苦しい、困っている」
「煩わしい、面倒だ」
辞書で調べたらまず出てくるのが괴롭다。ゴールデンボンバーの「女々しくて女々しくてつらいよ」の韓国語版でも괴롭다が使われていました!(韓国語版って…笑)
会話でもまあ聞くかなっていう感じ、主に精神的に追い込まれてつらい、苦しい状態を指します。
그 사람이 없어서 너무 괴로워.
(彼がいなくてとてもつらいの。)
괴로워하다という言葉もあります。形容詞+하다は、「~がる」という動詞になる傾向があり、괴로워하다も「苦しがる、悩む」というようなニュアンスです。괴롭다が形容詞であり、自分の気持ちや状態として使われるのに対して、괴로워하다は、自分を責めるなど自らを苦しい状況に追い込み悩むようなシチュエーションで使われます。
思い悩んでいる人に対して、「そんなに思い詰めるな、自分で自分を苦しめるな」というような励まし言葉でよく聞きます。
네 탓이 아니라니까 그렇게 괴로워하지 마.
(君のせいじゃないんだから、そんなに悩まないで。)
さらに、괴롭히다という言葉もあります。괴롭히다は「苦しめる、悩ます」という意味です。誰かを精神的につらい目に合わせることを言い、「いじめる」もこれに含まれます。また、「いじめる」まで強くなくても、日本語で言うところの「イジる」も괴롭히다で表します。アイドルのバラエティなどで、「仲間内でふざけてイジる」みたいな意味で度々使われています。
동생을 그렇게 괴롭히지 마.
(弟をそんなにいじめなるな。)
나는 형을 좀 괴롭히고 싶네요.ㅋㅋ
(僕は、ヒョンをちょっといじめたいですね。笑)
↑EXOチャニョルがスホのことで、こんな感じのこと言ってた笑
힘들다「つらい、大変だ」
「力がいる、骨が折れる」
「苦労する、苦しむ」
「困難だ、しにくい」
2つ目の意味が「つらい」にあたりますね。韓国人はいろんな場面で힘들다を使いますが、「つらい」という意味でも使います。힘들다は辞書的意味にもあるように、「何かに取り組むものの苦戦する」というニュアンスがあり、それが故「つらい」という感じです。
よく肉体的な「つらさ」で使われることが多いようですが、精神的なつらさから肉体的つらさにまで影響が及んだようなときにも使うような気がします。体がぐったりしちゃうようなニュアンスがあるので、そういう状態になっているのであれば、精神・身体問わないという感じですかね。
ここの匙加減って結構微妙と言うか曖昧というか。あまり気にしすぎるとわけわからなくなるので、ほどほどに…
하는 일 많아서 너무 힘들어.
(やることが多くて大変だ。(つらい))
그 때는 실영때문에 밥도 못 먹어서 힘들었어요.
(その時は失恋のせいでごはんも食べられずつらかったです。)
아프다「痛い、つらい、苦しい」
「痛い」
「具合が悪い」
「苦しい」
本来「痛い」という意味が強い아프다ですが、「精神的に傷ついている」「肉体的に具合が悪い」とそれぞれの“痛み”に対する意味合いがあり、さらに「つらさ」のニュアンスが含まれていることがあります。
訳としてなんでも「つらい」と訳すわけではないので、わかりにくいかもしれませんが、「痛くてつらい」というニュアンスがあることを理解しておくといいと思います。
韓国人は、本当にこの아프다を会話でよく使います。最初に勉強するとどうしても「痛い」の意味が先行してしまうかと思いますが、本来は、「痛い」に加えて「苦しい」とか「つらい」の感覚も強めに含まれているということを覚えておきましょう。
밥 먹으러 나가자.
(ごはん食べにでかけようよ。)
오늘 좀 아파서 못 가겠다.
(今日は具合が悪くて行けなさそうだわ。)
これは「体調が悪くて」という意味の使い方です。「体調が悪い」は몸이 안 좋다でも表すことができますが、아프다の方が「具合が悪い」+「そのせいで苦しい、つらい」という意味合いまで含むようなニュアンスです。
니가 다치면 나도 아픈거야.
(君が傷つくと僕もつらいんだ。)
こちらは「精神的につらい」の意味合いです。다치다は肉体的に体が傷ついたり、ケガをすることですが、実際に自分が傷ついていなくても、心が傷ついたように痛い、苦しい、つらいということです。
こういう使い方を聞くと、時に「痛い」というよりは「つらい」が合っているということがわかると思います。精神的につらいことの強調として마음이 아프다「心が痛い」と言うこともあります。
「つらい」の名詞
「つらい」の名詞「つらさ」「苦しみ」を表す言葉を紹介します。
괴로움
形容詞の괴롭다を名詞化した単語です。意味は「つらさ、苦しみ、苦痛、悩み」という感じ。日常の悩みやつらさを表す言葉として使えます。
맏형의 괴로움을 니가 아니?
(長男の苦しみがお前にわかるか?)
그런 괴로움을 당하다니.
(そんな苦しみに遭うなんて。)
당하다は、「受ける、遭う」という意味で主に悪い出来事に遭遇したり、つらい仕打ちに遭うことを意味します。괴로움などマイナスな言葉なので、よく당하다と一緒に使われます。
고통
「苦痛」の韓国語読みです。日本語の「苦痛」よりも、韓国語の中ではポピュラーな単語で、会話でも日本よりよく聞きます。精神的な意味でも肉体的な意味でも使えます。「苦痛」というよりは、「つらさ、苦しみ」くらいの感覚です。
그런 고통을 겪고 강해졌어요.
(そんなつらさを乗り越えて強くなりました。)
겪다は、「大変なことをを経験した、乗り越えた」という意味です。「経験する」と辞書では出てきますが、なんでもかんでもというよりは「つらいことや大変な経験をした、またはそれを乗り越える」という感じのニュアンスがあり、こういった괴로움や고통など、マイナスな意味の言葉とよく使われます。
その他 ~일
単語という程ではないのですが、힘든 일「大変なこと」や괴로운 일「つらいこと」という言い方もよくします。일は「物、こと(出来事)」を意味します。韓国人は、このように形容詞+일で「○○なこと」という言い回しをよくします。
これは「つらさ」そのものというよりは、それを引き起こす(引き起こした)出来事を指した言い方です。
그런 힘든 일이 있었구나.
(そんなつらいことがあったんだね。)
나한테는 너무 괴로운 일이였거든요.
(私にとっては本当につらいことだったんですよ。)
まとめ:つらいって複雑…
いかがでしたか?単語自体は難しくないし、すでに知っている単語かもしれませんが、ニュアンスの違いを把握するのが意外と難しいですよね。「つらい」って奥が深い…日本語ではいかになんでもかんでも「つらい」の一言で収めているかがよくわかります。便利~笑
これらの違いについて、話している韓国人も「これは精神的なつらさだから괴롭다だ」とかもちろん考えていません。こまこま色々書きましたが、
こんな感じでおおまかにイメージしておくといいかなと。これをベースに色々な例をたくさん聞いて、よりイメージを具現化していくという感じ。
外国語は、そのままぴったりイコールになる日本語というものがなかなか存在しないので、ざっくりとしたイメージや感覚で単語を把握したり話すことが結構大事なのかなと思います。
「日本語では○○っていうから韓国語では××」というような思考回路では、会話力ってあんまり上がらず、ちょっとズレた単語をイメージしてしまう気がします。というよりは、「こんなシチュエーションやこんな気持ちだったら韓国語では××」という感じで、あくまで発端となるのは“日本語”ではなく、情景や気持ちにフォーカスするとよりマッチしたナチュラルな単語を発する(思いつく)ことができるように思います。
参考にしてみてください♡