韓国語では、時制に関する概念が日本語よりもしっかりしており、未来形の構文が存在します。今回は、そんな未来形の作り方と、どんなときに使えるのか、未来形の使い方まで掘り下げて解説します!
基本の未来形の作り方
「〜겠다」韓国語で未来を表す文章では〜겠다を使います。
◆語幹+〜겠다
語尾も겠다の部分を活用することで、色々な語尾を付けることができます。하다動詞で基本の語尾の例を挙げると…
語尾 | 形 |
---|---|
スムニダ体 | 하겠습니다. |
ヘヨ体 | 하겠어요. |
パンマル | 하겠어. |
この未来形では、主に
①未来の推測(〜になりそうだ、〜なるだろう)
②未来の意思((自分が)〜する!)
という意味を表します。
내일은 비가 오겠어요.
(明日は雨が降りそうです。)
나는 꼭 유학하겠어!
(私は絶対留学する!)
未来の連体形「〜ㄹ,을」
後に続く単語を未来の意味を加えながら修飾するときには、〜ㄹ,을を付けます。
◆パッチムがない語幹+ㄹ
◆パッチムがある語尾+을
갈 데가 없어요.
(行くところがありません。)
그건 내가 먹을 밥이야.
(それは私が食べるごはんだよ。)
日本語には、明確に未来形という言葉がないので、この感覚が少し難しいかもしれません。
ポイントとしては、まだその事象が起こっていないことである点。これからやろうとしていること、これから起こるであろうことに対しては、〜겠다やㄹ,을が使われます。
この未来の連体形は、色々な語尾に続く形としてもよく使われます。
代表的な語尾「~ㄹ/을 것이다.」
未来を表す言い回しの中で代表的な言い回しとして「~ㄹ 것이다.」という言い回しがあります。直訳は「~すること(もの)だ」ですが、意味合いとしては強い意志や強い推量を表します。
◆パッチムがない語幹+ㄹ 것이다
◆パッチムがある語尾+을 것이다
実際は~ㄹ 것이다.のまま使われることは少なく、その他の語尾と合わさったり、것이が거に略されて使われることが多いです。
「~ㄹ 것이에요.」「~ㄹ/을 거야.」
「~ㄹ 것이다.」に語尾を付けた形です。タイトルはヘヨ体とパンマルになっていますが、ハムニダ体もあります。하다の動詞でまとめると以下の通り。것이が거に略されています。
語尾 | 形/意味 |
---|---|
ハムニダ体 | 할 겁니다.「します。」 |
ヘヨ体 | 할 거예요.(이에요.)「します。」 |
パンマル | 할 거야.「する。」 |
主語を自分にすると、強い意志を表します。また主語を自分以外の人物や、現象・事柄にすると、強い推量の意味になります。強い推量といっても、話し手としては強い確信を持って話している印象で、ほぼ確定的というようなニュアンスです。
제가 이 일은 담당할 겁니다.
(私がこの仕事は担当します。)
내일은 비가 올 거예요.
(明日は雨が降りますよ。)
민석이는 오늘은 오지 않을 거야.
(ミンソクは今日来ないよ。)
괜찮아, 빨리 좋아질 거야.
(大丈夫、早く良くなるよ。)
~ㄹ 거 같다「~するようだ」
~거 같다は、前に来る連体形の時制によって意味する内容が微妙に変わります。未来の連体形が付くと、「こうなるようだ、こうなりそうだ、こうなると思う」といった推測の意味を表します。같다の部分をいろいろな語尾に変えることができます。
서울은 내일 추울 거같아요.
(ソウルは明日寒そうです。)
이번 시험 잘 될 거같아.
(今回のテストはうまくいきそう。)
~ㄹ 거 같다は、通常の疑問文にすることもできますが、反語としてもよく使われます。意味合いとしては「こうなると思ったの?(そんなわけないでしょ!)」という感じで、否定の強い意志になります。
내가 도와줄 거같아?
(私が助けてあげると思った?(そんなわけないでしょ))
こんな感じで、この場合だと「助けない」の強い意思表示になります。直訳してしまうと「私が助けてあげそうですか?」になりますが、意味としては「~だと思った?」がニュアンスとしてはとても合っています。
未来を表す語尾や文法
未来のことを話す時には、〜겠다以外にも色々な未来に関する意図を伝えられる語尾があります。
色々な語尾が使えるようになると、言いたいことがさらに細かく伝えられるようになるので、ぜひ少しずつ覚えていきたいところです!
語尾については、 別記事で一覧としてまとめているので、気になる方はこちらも参考にしてみてください^^
〜자.「〜しよう」〜ㅂ시다.「〜しましょう」
勧誘を表す語尾です。〜자.は、パンマル(タメ口)でしか使えない語尾で、敬語にするのであれば〜ㅂ시다.を使います。
~ㄹ게요.「~します。」
自分の強めの意思を表示する語尾です。「私が○○をやりますよ」という感じで率先しているニュアンスです。
요を取れば、タメ口としても使えます。K-POPの歌詞でもよく出てきますね!
~ㄹ래요?「~しますか?」
「私が○○しましょうか?」や「あなたは○○しますか?」など、相手の意図を伺う語尾です。また、「一緒に○○をしましょうか」といった感じで、勧誘の語尾としても使うことができます。
「あげる、くれる」の意味の주다と合わせて、動詞+줄레(요)?で「~してくれますか?」という意味になり、相手に頼み事をするときに使えます。
요を取れば、タメ口としても使えます。
~야 겠어요.「~しないといけません。」
元々~야 하다, ~야 되다で「~しなくてはいけない」という文法があります。それと似ていますが、~야 겠어요.で近未来的にやらないといけないTo Doを表すことができます。
~야 하다, ~야 되다が比較的現在のことや、一般的な決まりなどを言うときに使うのに対し、~야 겠어요.は、これからしないといけないタスク的な内容について話すときに使います。
요を取れば、タメ口としても使えます。また、自分の独り言として「~야 겠다」と言うこともよくあります。
~ㄹ 걸요.「~なんですよ。」
「~なんだ」「~なんですよ」など、自分の主張を若干強めに伝える語尾です。自分の意思や考えについて話すときに使うことが多く、強めの意図を感じる表現です。
会話でもたまに聞きますが、K-POPの歌詞でも相当よく見る表現です。요を取れば、タメ口としても使えます。
~ㄹ 텐대요.「~のはずなのに」
「こうなるはずだったのに」といった感じで、話し手の考えとして、あるべきものにそぐわない状況になっているときに使う語尾です。
~ㄹ 테の部分が、「こうなる」という強い意図や若干決めつけたようなニュアンスを表す言葉で、このほかにも~ㄹ 테니 「~だから」~ㄹ 테니까「~だから」~ㄹ 테고「~だろうし」など、色々な文法で使われます。
~ㄴ데は「~なのに、~~なんだけど」など、主張や意見を伝えつつも濁すようなニュアンスを表す語尾です。
요を取れば、タメ口としても使えます。
~ㄹ까요?「~しましょうか?」
「(私が)~しましょうか?」という打診や、「(私たち一緒に)~しましょうか」という勧誘を表します。
요を取れば、タメ口としても使えます。
まとめ:日本人にとって時制の感覚はちょっと難しいかも
日本語って、時制の概念が言語的にあまりなく、いつの話をしているのかが曖昧になりがちな言語だったりします。なので、英語や韓国語のように言葉で時制が決められている言語を使おうとすると、どれを使うべきなのか混乱してしまうことが結構あります。
とはいえ韓国語もそこまで厳しく時制が決めつけられているわけではなく、ちょっと間違えたからって通じないという程ではありません。
考えすぎる必要はないのですが、ちゃんとした表現をうまく話せているとネイティブっぽいのも確か。ポイントとしては、ネイティブの人が話している使い方と意図を紐づけてフレーズとして覚えてしまうこと。
こういう”ニュアンスを伝えたいときはこのフレーズ”みたいにある程度覚えておくと、自分の口から発するときに話しやすくなると思います!
未来形は、自分の意思を伝える表現でもあるので、徐々に覚えていきながら、意思表示の幅を広げていけるといいですね^^