韓国語には、敬語とタメ口という概念があります。韓国人のお友達ができたら、タメ口で話せるようになりたいし、目上の人からはタメ口を使われる可能性もあるので、ちゃんと理解できるようにしておきたいところ。
今回は、そんなタメ口について教科書では載ってないところまで、踏み込んで解説します!
韓国語におけるタメ口
韓国は、上下関係がハッキリしており、タメ口を使うのは基本的に友達や目下の存在である後輩や部下です。とはいえ、実際の生活の中では、相手が年上でも気心の知れた仲であればタメ口を使うし、両親や祖父母にも使っています。
敬語とタメ口の使い方は、日本人のそれと近いのであまり悩むことはないかと思います。基本的に他人には、まず敬語で話しかけるのが一般的です。
タメ口は、韓国語で「반말」、反対に敬語のことを「존댓말」といいます。会話の中で「私に敬語を使わないでください」「タメ口でいいですよ」と言いたくなるときがあると思いますが、以下の言い方があります。
①말을 놓으세요.
この言い回しが一番自然。目上の人に対して「タメ口でいいですよ。」と言いたい時に。自分は敬語を使っているケースが多いです。
②말을 편하게 하자.
これもよく使う表現です。自分もタメ口にするし、あなたもタメ口でいいよ、という感じ。말을 편하게 하세요.と丁寧語にすれば、目上の人に対しても使えます。
③말을 까.
韓国ドラマでよく聞きます。말을 까다 は「タメ口をきく」という動詞のイディオムという感じ。①②は、あくまで相手に「タメ口でいいですよ」と促すフレーズですが、말을 까다 動詞としてどんな場面でも使えるっていう感じ。
結構ラフな言い方なので、目下か同等と見なした気楽な仲で使う言葉です。「말 까.」で、「タメ口でいいよ」と使ったりします。
반말하세요. 반말하자.も使わないこともないですが、「タメ口してください。」「タメ口しよう」って感じになってなんか直接的だなって印象になります。笑 紹介した①②の言い回しの方が自然な感じなので、ぜひ使ってみてください!
タメ口の作り方
タメ口の作り方は簡単。敬語の요をつけるときと同じで、それの요がないだけです。
하다→다をとる→하なので아をつける→하아→해
있다→다をとる→이なので어をつける→있어
가다→다をとる→가なので아をつける→가아→가
こんな感じです。
疑問文もこれに?をつけるだけ。簡単◎イントネーションも上げて、疑問調にすればいいだけです。命令もこのまま、命令口調で言うだけです。
학교 가.(学校に行く。)【通常】
학교 가?(学校に行く?)【質問】
학교 가.(学校に行け。)【命令】
ちなみに命令口調は、라を付けると、もっと強い口調になります。この場合、가.より가라.の方が、すごく強く命令している感じ。
下に見ている人や相当怒っているきに使う言葉なので、自分ではなかなか使わないと思いますが…笑
タメ口(パンマル)でよく使う語尾
「タメ口の作り方」で요を外すだけと書きましたが、タメ口でよく使われる語尾も存在します。語尾をつけると、言いたいニュアンスがより伝わりやすく、表現の幅も広がりますので、ぜひ参考にしてください。ここでは、自分の口からも使いやすい表現だけをエッセンス的に紹介します。
さらに使えるパンマル語尾一覧はこちらから。
【断定】~(이)야.「~だ。」
名詞に付く語尾です。「○○だ。」と断定する意味です。~이에요.のパンマルバージョンです。前に付く単語にパッチムがある場合は、이を入れます。
밥이야, 먹어.(ごはんだよ、食べな。)
그게 내 꺼야.(それは私のだ。)
【勧誘】~자.「~しよう」
自分から「○○しよう」と誘うときに使います。パンマルだけで使う語尾です。「EXO 사랑하자~」でも使ってる語尾ですね♡笑
오늘 밥 먹으러 가자.(今日ごはん食べに行こう。)
나랑 결혼하자.(僕と結婚しよう。)
【共感・感嘆】~네.「~だね」
「~だね、~ね」という感じで共感したり、感嘆の気持ちを表します。独り言としてもよく使います。그러네.「そうだね」という相槌としても、便利です。요を付ければ、丁寧語としても使えます。
별이 너무 이쁘네~.(星がきれいだね。)
오늘 춥네.(今日寒いね。)
응, 그러네.(うん、そうだね。)
【確認・念押し】~지.「でしょ?」「~だ!」
とてもよく使う語尾なので絶対覚えたい!~지.は結構たくさん意味があり、よく使う表現は以下のような感じ。
나 어제 집에 있었지.
(私昨日家にいたよ。)【強めの主張】
※「いたに決まってるでしょ。それをあなたもわかってるじゃん。」というニュアンス。
야, 아까 민혁이 봤지?
(ねえ、さっきミンヒョクを見たでしょ?)【確認】
내 말 잘 들어.알았지?
(私の話をちゃんと聞いて、わかった?)【念押し】
요を付けて、丁寧語としてもよく使います。口語の場合は特に、요を付ける場合は、죠.に略されて使われることがほとんどです。
【意思】~ㄹ게.「~するよ」
自分がするよ!という意思を伝えるときに。요を付けると丁寧語でも使えます。
오늘은 내가 살게.
(今日は私がおごるよ。)
난 갈게.(私帰るね。)
【婉曲・反論】~는데.「~なのに」
日本語では「~なのに」が一番しっくりくる訳。日本語と同じように、責められたときに「私は○○したのに」と微妙に反論したり、「まあ別にいいけど」みたいに語尾を濁すときに使ったりします。
요をつけて、丁寧語でも使えます。また、文中の接続語尾としても使えます。
그 사람이 분명히 어제 왔는데…
(その人、確かに昨日来たのに…)
오늘 만날 수 았어?(今日会える?)
응,괜찮은데..(うん、大丈夫だけど…)
※この「だけど…」は何か気がかりになることがあっての「だけど」である場合もあるし、特に何もないけどなんとなく「だけど」と言っている場合が考えられるので、必ずしも都合が悪そうというわけではありません。
また、終結語尾(文末の語尾)だけでなく、接続語尾(一つ目の文を終わらせる語尾でありながら、接続詞の役割をして次の文につなげる)としても使われます。
나는 하지 말라고 했는데, 그는 내 말 안 들었어.
(私はやめなって言ったんだけど、彼は私の話を聞かなかったの。)
まとめ:タメ口(パンマル)を使える人は結構限られる
日本人として、韓国語を勉強している身では、案外タメ口(パンマル)を使える人は、韓国に住まない限り、なかなか限られているかも。本当に仲いい友達とか恋人くらいですよね。
でもドラマやバラエティを見る上では、頻繁に使われる表現です。タメ口を作ること自体はそんなに難しくはありませんが、タメ口のときだけ出てくるぞんざいな表現や語尾も結構あります。こういったタメ口の込み入った部分は、参考書には載っていないので、実際の会話や日常的な娯楽ツール(ドラマやバラエティ、V LIVEなど)にたくさん触れて吸収するのが一番色んな表現が学べると思います!
ぜひタメ口を使えるくらいの韓国人の友達がほしいですね~笑