韓国語で「できない」って何て言うの?ということで、今回は不可能の構文について紹介します。韓国語では、主に①〜ㄹ 수 없다と②못하다の2つの言い方があります。
また、場合によっては不可能を表すことができる、~줄을 모르다、안 되다の使い方も合わせて紹介します!
〜ㄹ 수 없다「できない」
ポピュラーで一般的な表現です。前には動詞の語幹がつきます。
ある理由があるのでできない、物理的にできない、など自分の能力に関わらず外的な状況などによってすることができない、というようなニュアンスです。
수の後に、助詞の가「が」を入れると、ちょっと強調した意味合いになります。
이제 기다랄 수가 없어.
(もう待てないよ。)
못하다「できない」
こちらも参考書でもよく出てくる「不可能」の構文ですが、〜ㄹ 수 없다とニュアンスが違います。
못하다は、得意じゃない、上手くないからできない、という意味が強いです。また、やろうと思ってもやりたくないとか、やってもいいのかよくわからないからできない、というニュアンスもあります。
못하다は、前にくる言葉によって微妙に使い方が異なります。
~ 못하다
○○하다の形になる動詞の場合、○○ 못하다の形で表すことができます。
이런 말 못 해요.
(こんなこと言えません。)
너 공부 못 하는구나.
(君は勉強ができないんだね。)
これは、사랑하다など一部の○○하다には使うことができません。
못~
가다「行く」や먹다「食べる」などの動詞の場合、前に못をつけるだけで、不可能の文が出来上がります。しかし、○○하다の動詞は、この言い方ができません。
오늘은 못 가.
(今日は行けない。)
순대는 못 먹어.
(スンデは食べられない。)
日本語とは違う語順になるので、若干注意したいところですが、慣れるとっても便利です。
~지 못하다
どんな動詞でも、後に~지 못하다をつけることで、不可能の文章を作ることができます。この形は、前述のような制約は特になく、どんな単語でも不可能の文章を作ることができます。
정산이라면 그런 짓을 하지 못할거야.
(正常ならそんなことできないはずだ。)
니가 알지 못하는 일이 있어.
(君がわからない(知ることができない)ことがあるよ。)
確かにどうしても長くなってしまうので、韓国人は日常会話では、못~、~ 못하다を使うことが多いです。しかし言葉として間違いはないので、~지 못하다を使いながら、못~、~ 못하다の使い方を徐々にマスターしていくのでもOK◎
ドラマやK-POP歌詞などでもこの二つの言い方はよく出てくるので、たくさんの例文を聞きながら、聞いたことがあるものは自分の言葉にしていくという感じがいいと思います。よく使いそうな単語は基本、못~で大丈夫です◎
〜ㄹ 수 없다と못하다の違い
具体的に同じ動詞の例文で、〜ㄹ 수 없다と못하다のニュアンスの違いを見ていきましょう。
①오늘은 볼일이 있어서 공부 할 수 없어.
(今日は用事があって勉強はできない。)
②나는 공부 못해.
(私は勉強ができない。)
〜ㄹ 수 없다は、例文のように「用事がある」など外的な要因で勉強の時間が取れない、というようなときに使えます。勉強の出来がいいかどうかについては関係ありません。
못하다は、②例文のようにすると、能力的に勉強があまりできない、という意味合いになります。他にも英語ができない、水泳ができない、など能力的にできない意味合いの場合は못하다の方が好ましいです。
①이 기억은 잊을 수 없어.
(この記憶は忘れることができない。)
②이 기억은 못 잊어.
(この記憶は忘れることができない。)
どちらも「忘れることができない」の意味ですが、①の方が若干意図的に「忘れたくない」という気持ちが含まれているような雰囲気です。(〜ㄹ 수 없다:できる能力はあるけど、なんらかの事情(忘れたくない気持ち)があってできない。)
②は、忘れようとしても忘れられない、という感じ。(못하다:そもそも能力的にできない。)
~ㄹ 줄을 모르다「やり方がわからない」
やり方や方法がわからない故に、「できない」という場合には、~ㄹ 줄을 모르다が使えます。줄には「だろうと、すべ」という意味があります。
韓国人は、やり方がわからないからできない場合には、この言い方を使うことが多いです。
저는 수영할 줄 몰라요.
(私は泳げません。)※泳ぎ方がわかりません。
이거 할 줄 몰라.
(これのやり方がわかりません。)※なのでできません
~ㄹ 줄을 모르다には、逆の意味の~ㄹ 줄을 알다もあり、「やり方を知っている、できる」という意味になります。また~ㄹ(ㄴ) 줄을 모르다/알다「~だと思わなかった/~だと思った」という意味でも使われます。
この【可能】の使い方や【~だと思う】の使い方は別記事でもまとめているので参考までに。
안 되다「ダメだ、うまくいかない」
안 되다は、「ダメだ」の意味のイメージが強いと思いますが、「うまくいかない、うまくできない」の意味合いも含まれます。
やりたいのに、うまくいかない、うまくできないという場合には、안 되다で表現することができます。잘(よく、十分に)を前につけて잘 안 되다「よくできない」と言うこともでき、「なんだか思うようにうまくいかない」「理由はわからないけどなんかできない」という感じでぼやかしたようなニュアンスになります。
잘がないと、比較的「ダメだ、できない」と断言したようなニュアンスに。
카드로 계산 안 돼나요?
(カードで精算できませんか?)
그 사람이랑 왠지 소통 잘 안 돼요.
(その人となぜかうまく意思疎通できません。)
まとめ:使い分けてさらにネイティブに
それでは4つの要点をまとめます。
①〜ㄹ 수 없다
能力的にできるが、何らかの事情、外的要因などで、行うことができない状態。
②못하다
そもそもそれを行う能力や技術がない状態。
③~ㄹ 줄을 모르다
やり方がわからないために、行うことができない状況。
④안 되다
やろうとしているものの、できない状態。
一応、この通りの違いがありますが、実際の会話の中では、なかなかこれらに明確に分けることができず、どっちが適しているのかよくわからないシーンも多いです。
なので、「この状況はどれにあてはまるのか」と考えることも大切ですが、色々な例文に触れて、“こういう状況ではこの言い回し”というパターンを把握するのが一番いいと思います。そうすると、反射的に会話で一番いい表現が口からすぐ出てくるようになります。
これら4つの表現を適切に使い分けることができるとかなりネイティブっぽい話し方に近づけると思います!似たような言葉の使い分けで一番大事なのはとにかくたくさん例文を聞くこと!これに尽きます!!