今回は日本語でいうところの「この」「あの」「その」である、指示代名詞이・저・그について解説します。
言葉の通りでしょと思いきや、突き詰めると意外といろんな重要ポイントがあったり…日本と同じように、韓国語でも本当によく使われる言葉です。日常会話でよく使う言葉だからこそ、しっかりとポイントをおさえてマスターしましょう!
이・저・그の違い
まずは、基本的な言葉の意味から。
- この 「이」→近いところ、また近くにあるもの
- あの 「저」→ちょっと遠いところ、またちょっと向こうにあるもの
- その 「그」→あのよりさらに遠いところ、また遠いところにあるもの
感覚的には日本語と同じです。ものであれば、것(거)、人であれば사람など、いろいろな名詞を修飾できます。
이 사람・저 사람・그 사람→「この人」「あの人」「その人」
ここ、あそこ、そこ
場所を表す「ここ」「あそこ」「そこ」は、少し基本から異なります。
저기 → 「あそこ」
거기 → 「そこ」
「ここ」と「そこ」にあたる요기と거기は、変形しているので要注意。이기や그기とは言いません。これは、そういうものとして覚えましょう。
日本語で言う「ここ」「あそこ」「そこ」として使えます。
저기 봐!(あそこ見て!)
거기 계단이 있찮이요.(そこに階段がありますよね。)
基本的な이・저・그の感覚と同じで、指し示したいものの(場所)の距離感で使い分けます。
이것と요것
「これ」を指す이것ですが、同じ意味に요것があります。요것は、同じく「これ」という意味ですが、口語で使われる言葉で書き言葉としては使われません。
이것は、書き言葉でも話し言葉でも使われます。요것を使っているとさらに韓国人っぽい印象がありますが、이것もとってもポピュラーな言葉なので、이것を使っとけばとりあえず何の問題もありません。
요것は、知識としては覚えておいて、韓国人との会話に出てきてもスッとわかるようにしておきたいところですね。
“あの”の意味でもある그
物理的にちょっと離れたものを指すときは、前述のとおり「저」が使われますが、皆の共通認識の元に「あれあるでしょ?」のように具体的な名詞を指したくないときに使われる「あの」は韓国語では「그」が使われます。
その他にも、日本語では「あの」と表される以下のようなシチュエーションは、韓国語では「그」が使われます。
- 「例のあれ。」という共通認識の元に何かを指し示すとき。
- 너 그 것 갖고 왔어?(お前、(例の)あれ持ってきたか?)
- 그 사람이랑 요즘 어때?((例の)あの人と最近どう?)
- 特定の日にちや時期を想定して、「あのとき」「あの日」と表すとき。
- 그녀를 만났던 그 날(彼女と出会ったあの日)
- 直接的には言えないけど、「それはちょっと」とマイナスな意思を伝えたいとき。
- 그런거 말 못해. 좀 그 거잖아.(それは言えないよ、ちょっとアレじゃん?)
ちなみに女の子の日を「あの日」と表現することがあるかと思いますが(古い?笑)、韓国語ではそれも「그 날」と表現するんですよ!同じ感覚ですが、ここでも저ではなく그が使われます。
この他に、日本語の会話の中で「それ」として使われる以下のような場合も「그」が使われます。
- 相手が今言った内容をもう一度指し示すとき。
- 너 키 적다. – 그 건 말하지 마 . (お前背低いよね。)(それは(背が低いということは)言わないでよ。)
- 이 거 버린다! – 그 건 안 돼! (これ捨てるぞ!)(それ(捨てること)はだめ!)
- 以前一度話題になった話を指し示すとき。
- 그 때 그렇게 말 했지? – 그 거말이야. 없었던 일로 해줄래? (あの時そう言ったよね?)(そのことだけど、なかったことにしてくれる?)
「그」が表す範囲って本当に広いです!とにかく、ぼやっとした内容を指すときはいつでも「그」が使われるということを覚えておきましょう!日本語では「あの」と言いますが、저は使われません。
共通認識下で何かをアバウトに示したいときや、ぼやっと何かを示したいときの指示代名詞は그!
ちなみに!것と거が、例の中で入り混じっておりますが…どちらも同じ意味です!거は、것の略のような感じで、口語でよく使われます。것でももちろん間違いではないので、口語で使っても大丈夫です。
ただパッチム「ㅅ」がついているので、그 것은、그 것을など一音増えてしまうからか、口語では거がよく使われているようです。(거の場合であれば、그 건、그 걸で済みます。)
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頻出単語!「これが」「それが」は、이게・그게
会話でよく使う表現「これが」「それが」。이 것이、그 것이でももちろん間違いではないのですが、会話ではこれが略された이게「これが」그게「それが」がよく使われますのでマスターしましょう!
그게 뭐냐고?(それが何だって?)
ちなみに「あれが」という言葉で저 것이の略、저게も存在するようです。が、私はドラマや日常会話を通してほとんど聞いたことありません。
指示代名詞を使ったイディオム
ここまで指示代名詞の意味や使い方を学んだところで、実際の日常会話でよ~く使われるイディオムを紹介します。単なる指示代名詞としてだけでなく、あらゆる便利な使い方を学んでこそ、韓国人のようなしゃべりに近づけます!
저기요. / 여기요.(すいませーん)
お店などで店員さんを呼ぶときに。저기요. と여기요.に大きな違いはありませんので、どちらでも大丈夫。저기요.の方がよくつかわれている印象です。
저기(あの~)
何か言いたいけど、すぐパッと言えないときやちょっと言葉を濁したいときに使われます。日本語で言うところの、「あの」という感じ。
저기…할 말이 있는데요. (あの…話があるんですけど。)
거기 안 서!?(止まれ!)
直訳は「そこに止まらないのか!?」意味としては、反語で、「(いや)止まれ!」の意味があります。ドラマでよく出てきますね。誰かを追いかけるときに使われます。
이게 뭐야!!(何これ!!)
直訳は、「これが何だ!」となりますが、「何これ!」というフレーズとして覚えちゃいましょう。日本語の感覚では、まさに「何これ!!」と言うようなシチュエーションで使われます。
例えば、予想外の出来事にびっくりしたときや、信じられない出来事に怒りの感情が沸いてくるときとか。普通に、「これ何?」と問う場合でももちろん使えます。
丁寧に言うと、이게 뭐에요?で「これ何ですか?」としても使えます。
이거저거(あれこれ)
そのままですね、韓国語では「これあれ」の順になりますが、日本語の「あれこれ」に当たります。使い方や感覚も同じです。
요기저기(あちこち・あちらこちら)
「あれこれ」と同じように、こちらも「ここあそこ」=「あちこち」という意味です。これも日本語と同じ使い方です。
まとめ:頻出!指示代名詞をマスター!
いかがでしたか?以外と奥が深い指示代名詞。特に그の使い方をマスターできるようになると韓国人っぽいしゃべりに一歩近づけると言っても過言ではないでしょう。その他、自分の口からは出てこなくても、韓国人がよーく使う表現ばかりなので、聞き取って理解できるようになりたいところです。
特に大事なのは、이と그の使い方。저はイディオムではいろいろありましたが、それ以外では、저よりも이と그がよく会話で使われます。
基本的には、そんなに難しい内容ではなかったかなと。参考書でも書かれている이・저・그の基本的な使い方に加えて、+αの知識として、使い方の感覚を参考にしていただきたいです!
もめんでした^^
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