韓国語での「忘れる」の意味でよく使われるのは、잊다ですが、ドラマを含む日常会話では、까먹다や깜박하다も実はよく使われています。
ということで今回は「忘れる」「忘れた」について詳しく解説していきます。記憶がなくなる意味の「忘れる」と、物理的に物を置いてきてしまう「忘れる」の2つに分けて解説します。
記憶の中での「忘れる」
잊다
「忘れる」
「記憶がなくなる」
ぱっとイメージする「忘れる」の主な韓国語は、この잊다です。辞書の意味の通り、記憶がなくなる感じが強い意味です。
などなど、大体の「忘れる」「忘れた」に使える、汎用性の高い単語です。K-POPの歌詞でもよく聞きます。
~버리다「~してしまう」、~ㄹ게「~するね」、~지 말아「~するな」などなど、色々な意味の語尾と組み合わせて使われることも多いです。
날 잊지 말아요.
(私を忘れないでください。)
이제 너랑 함게 했던 시간을 다 잊어버릴거야.
(もう君と一緒にいた時間は全部忘れることにするよ。)
어제 뭐 먹었나? 잊었네.
(昨日何食べたっけ?忘れたわ。)
까먹다
「皮をむいて食べる、殻を割って食べる」
「使い果たす、つぶす」
「度忘れする、忘れる」
辞書的意味では3つ目にあたります。잊다のように記憶がまったくなくなるというよりは、わかる気がするんだけど度忘れしちゃって思い出せない、知ってるはずなのに今急に言われたらなんかよくわかんない、というニュアンスがあり、今言わないと・やらないといけないのに思い出せない、という意味合いです。
なので、잊다ほど幅広い使い方はできません。また「忘れない」「忘れたくない」など自分の意思が含まれる使い方もしません。そしてこの単語一つで、「やっちゃった」感があるのも特徴です。
어떡해, 비밀본호 까먹어서 문 못 열어.
(どうしよう、暗証番号を忘れちゃって、ドアが開けられない。)
이 단어 어떻게 쓰지? 까먹었다!
(この単語、どうやって書くんだっけ?忘れちゃった!)
깜박하다
「ちらっとする、瞬く」
「うっかりする」
「まばたく」
元々は깜박「ちらっと、ぱちっと」や깜박깜박「ちらちら、ぱちぱち」という擬態語です。これらは、光が短いスパンで点いたり消えたりする様子(星や車のハザードなど)や、目を開けたり閉じたりまばたきする様子を指します。
辞書的意味でも2つ目に書かれているとおり、ここから転じて「うっかり忘れた」という意味があります。
これも잊다のように記憶がまるっとなくなるというよりは、やらないといけないことをうっかり忘れてしまった、という意味です。なので、깜박했다「うっかり忘れた」と過去形で使われることが多いです。また、까먹다同様、この単語に「やっちゃった」感が含まれるニュアンスです。
우유 샀어?(牛乳買った?)
아, 깜박했다.(あ、忘れちゃった。)
기억
直接的に「忘れる」という意味ではありませんが、기억「記憶」を使った言い回しで、似たようなことを表現することがあります。
過去にあったことが思い出せないときに主に使う表現です。また、何かしらの原因で、記憶がなくなってしまうことも言います。
어렸을 때 같이 공원 갔잖아, 기억이 안 나?
(幼い時一緒に公園に言ったじゃん、覚えてない?)
↑「어렸을 때 같이 공원 갔잖아, 잊었어?(幼い時一緒に公園に言ったじゃん、忘れた?)」でも可
사고때문에 기억이 없대요.
(事故のせいで記憶がないそうです。)
物理的に物を置いてきた「忘れる」
잊다
まず、記憶の面での「忘れる」でも紹介した잊다も「物を忘れる」の意味合いが含まれます。私的には、記憶の面で使われることが多いように感じますが、物について使うこともできるようです。
우산을 잊었어.(傘を忘れた。)
가방을 잊고 왔어요.(カバンを忘れてきました。)
흘리다
「流す、こぼす」
「失う、落とす」
「字を崩し書きする」
2つ目の意味にあたります。これはどちらかというと、落としてなくす、というニュアンスが強く、家に物を置いてくるというよりは、出先で物を置き忘れてくる、なくす、という感じです。
どこで置いてきたかよくわからない感じで、物をなくしていることもあり、ちょっとだらしなさを表したり、指摘するような感じもあります。
너 자주 지갑을 흘리니까 조심해.
(君はよく財布をなくすんだから気をつけな。)
왜 자꾸 흘리고 다니니?
(なんでそんなにものを落としてくるの?)
두고 왔다/놓고 왔다
「置く」の意味がある두다や놓다を使った言い回しです。訳すと「置いてくる」という意味になります。흘리다に比べると、特定の場所や、わかっている場所に物を置いてきたという感じです。
「必要なのに持ってくるのを忘れた」という意味で使われます。逆に、「意図的に置いてきた」という意味でも使われることがあるので、会話の流れや文脈で判断します。
집에 핸드폰 놓고 왔어.
(家に携帯忘れてきちゃった。)
어떡해, 교실에서 가방 두고 왔나 봐.
(どうしよう、教室にカバンを忘れてきたみたい。)
個人的には、物を忘れてきた場合の「忘れた」は잊다よりも、두고 왔다/놓고 왔다が会話でよく使われる印象があります。
まとめ:色々な表現を知っておくと細かいニュアンスが伝わる
いかがでしたか?そもそも「忘れる」「忘れた」については、正直잊다だけわかっていれば、言いたいことのほとんどは多分表現できると思いますが、까먹다の度忘れ感や、깜박하다のうっかり感、흘리다のだらしなさまでは잊다だけでは表現できません。
こういった細かいニュアンスを表現してこそ、韓国人らしいしゃべり方に近づくと思うし、何より、本当に伝えたいことが伝わるのではないかなと思います。
ここで紹介した単語は、ドラマや日常でもよく聞く表現です。自分の口からサラッと出てくるかはともかくとしても、相手が話したときにすぐ理解できるようにしておきたいですね!