みんな大好きジブリ作品ですが、韓国でも人気です!私が知り合った韓国人の女の子も私よりジブリが好きなくらいでした笑
日本人にとってなじみ深いジブリ映画ですが、韓国語タイトルって何て言うのでしょうか?もちろん、原題を訳してはいるのですが、印象が微妙に違う…!笑
韓国の方と韓国語で話すときにも使えるので、ぜひ参考にしてみてください^^
韓国語で「スタジオジブリ」
まず韓国語では「스튜디오 지브리」と表記します。
스튜디오の部分は、もちろんその他の色々な場面でも使えます。日本語の「スタジオ」の発音とは結構異なるので注意!
韓国語でジブリ作品は何て言うの?
それでは早速、韓国語でジブリ作品の名前をご紹介していきます!公開年代別です!
風の谷のナウシカ(1984)
바람계곡의 나우시카(風の渓谷のナウシカ)
ー바람:風
ー계곡:【渓谷】渓谷、谷
ー~의:~の(所有)
これは結構そのままの意味ですね。日本語では「谷」と「渓谷」って別の意味合いのようになっていますが、韓国語では 계곡 で一緒くたになっています。
天空の城ラピュタ(1986)
천공의 성 라퓨타(天空の城ラピュタ)
ー천공:【天空】
ー~의:~の(所有)
ー성:城
これも結構そのままの意味です。천공は普段あまり使わない単語だと思いますがが、漢字語をそのまま訳したというところでしょうか。
となりのトトロ(1988)
이웃집 토토로(隣の家のトトロ)
ー이웃집:隣の家、隣家
「となりのトトロ」の原題について調べてみたら、由来としては「所沢にいるとなりのオバケ」が短くなったものだそうですよ。
意味としては忠実に再現しているわけですね。なんか韓国語になると、「隣に住んでいる感」がスゴイ。ご近所さんみたいな…
火垂るの墓(1988)
반딧불의 묘(ホタルの墓)
ー반딧불:ホタル
ー의:~の(所有)
ー묘:墓
このタイトルもまた深いので、韓国語で表しきるのはやはり難しい。
虫の「蛍」の語源は、「火が垂れる」から来ているようで、文語的な表現として「火垂る」と書いたりすることもあるようです。
「火垂るの墓」は、”空襲=火垂る”と連想していることもあり、「火垂る」という字が使われているみたいなんですね。
作中で、本当に蛍の墓を作っているのもそうですが、戦争の連想から「墓」ということもあるそうです。
これを踏まえると意味が深いタイトルなんですが、韓国語では単純に「蛍」の「墓」という感じになっています。これ以上表現しようがないのですが…
魔女の宅急便(1989)
마녀 배달부 키키(魔女の配達人キキ)
ー마녀:魔女
ー배달부:【配達夫】配達人
意味としては同じですね。韓国語の方が、より端的になって意味がわかりやすくなった印象があります。
배달は日常的にもよく使われる単語で、「物を配送すること」から「物が届くこと」「食事の出前」など幅広い意味で使われています。
おもひでぽろぽろ(1991)
추억은 방울방울(思い出はぽたぽた)
ー추억:【追憶】思い出
ー~은:~は(主語)
ー방울방울:液体がしたたるさま、ぽたぽた
まずこのタイトルの情緒を外国語で表現するのはとても難しいでしょう。意味以上に、音感がやわらかく、思い出が優しく紐解かれていく様子がタイトルだけでも想像できますよね。
そもそも「おもひで」にあたる言葉は韓国語にはもちろんないので、意味として「思い出」にあたる추억が使われています。
방울방울は、液体がぽたぽたしたたる様子を表しています。한방울で「一しずく」という意味でもあるように、基本液体なんです。
では「ぽろぽろ」が液体だけを表す擬音語なのかというとそうではないですよね。一番近い擬音語を持ってきた感じでしょうか。
この原題の「ぽろぽろ」が何を指しているのかにもよりますが、私は「ぽろぽろ」が、思い出が一つ一つ意思なく思い出されていくような様子を指しているのかなと思ったので、韓国語では全く雰囲気が違うなと思いました…!
日本語ってムズカシイ!!
紅の豚(1992)
붉은 돼지(赤い豚)
ー붉다:赤い
ー~은:~は(主語)
ー돼지:豚
「紅」というそのままの意味の韓国語はないので、「赤い」になっているわけです。
「赤い」の韓国語にも2種類あって、人工的で具体的な色味を表す「빨갛다」と、”顔や空が赤い”といった客観的比喩に用いられる붉다があります。
乗っている飛行機だったり、社会主義の象徴としての意味合いだったりを「紅」で表現しているそうなので、その意味では後者の方がしっくりくると言った感じかなと。
にしても日本語訳すると「赤い豚」になってしまい、なんとも直接的。「紅(くれない)」が持つ、独特の雰囲気は日本語でしか表せないですね…
海がきこえる(1993)
바다가 들린다(海が聞こえる)
ー바다:海
ー~가:~が(主語)
ー들리다:聞こえる
これもそのまま忠実に訳していますね。タイトルなどの場合には、言い切りの動詞をㄴ다の形で表記することが一般的です。
響きとしても日本語同様、きれいな印象で、原題そのままの雰囲気を出せているような気がします!
平成狸合戦ぽんぽこ(1994)
폼포코 너구리 대작전(ぽんぽこたぬき大作戦)
ー너구리:たぬき
ー대작전:【大作戦】大作戦
「戦いに向けたたぬきたちの大作戦」にフォーカスしたタイトルですね。日本語をそのまま訳しても意味がわからないので、いい意訳だと思います。「ぽんぽこ」がそのままなのもかわいい^^
個人的には「平成」が付くところが時代を感じられていいなって思ってるんですけど、韓国人から見たら意味わかんないですもんね笑
耳をすませば(1995)
귀를 기울이면(耳を傾けたら)
ー귀:耳
ー~를:~を
ー기울이다:傾ける
ー~면:~したら、~すれば
そのまま訳すとこういうことです。意味合いとしては合っています。
귀를 귀울이다は、「耳をすます」というよりは「耳を傾ける」という方が近いです。傾聴している感じです。「注意深く尊重して聞いてみる」という感じは合っていると思うのですが、「耳をすませば」のピュア感というか凛として澄んだイメージがイマイチ感じられないように思います。
英語版のタイトルは「Whisper of the Heart」らしいので、それくらい言葉の響きが持つイメージに合わせて、大胆に変えちゃってもいいような気もしました。
もののけ姫(1997)
모노노케 히메(もののけひめ(姫))
いわずもがな、日本語の発音をそのまま韓国語表記しています。なぜ「姫」は「공주」ではなく「히메」なのだろうと思わなくもないのですが…
しかしながら「공주」って「お姫様」って感じが強くて、「もののけ姫」のイメージと合わないのも事実。これでよかったと個人的には思うタイトルです^^
もののけ姫はそのままアイデンティティみたいな感じになっているのかな?
千と千尋の神隠し(2001)
센과 치히로의 행방불명(千と千尋の行方不明)
ー과:~と(並列)
ー의:~の(所有)
ー행방불명:行方不明
誘拐事件なのかと思うようなタイトルになってしまいました笑 行方不明って…
韓国語では「神隠し」という言葉がないので、意味合いに沿って행방불명になったことは理解しますが、それにしても事件性を感じられずにはいられません。笑笑
神やまやかしといった神秘性がまったく感じられないのですね!これは変えたほうがいいんじゃないかなと思う次第です…
猫の恩返し(2002)
고양이의 보은(猫の恩返し)
ー고양이:猫
ー~의:~の(所有)
ー보은【報恩】:報恩、恩返し
これもそのまま訳した形です。わかりやすいし、特に問題もなさそうなタイトル。
ハウルの動く城(2004)
하울의 움직이는 성(ハウルの動く城)
ー의:~の(所有)
ー움직이다:動く
ー~는:動詞の現在形修飾
ー성:城
こちらもそのままです。特に深い意味もないので、妥当なタイトルですね。
ゲド戦記(2006)
게드 전기 – 어스시의 전설 – (ゲド戦記-アースシー伝説-)
ー전기:【戦記】戦記
ー어스시:Earthsea
ー~의:~の(所有)
ー전설:【伝説】
「ゲド戦記」は、アメリカ人によって書かれた小説を基にしており、その原題が「Tales from Earthsea」だそうです。
「ゲド戦記」は日本人の装丁家の方によって名付けられたタイトルであるとのこと。なので韓国語タイトルでは、どちらも尊重したという感じなんですかね。
”Earthsea”の韓国語発音がほぼ「おすし」…笑
崖の上のポニョ(2008)
벼랑 위의 포뇨(崖の上のポニョ)
ー벼랑:崖、断崖
ー~위:~の上
ー의:~の(所有)
これもそのまま!わかりやすく単純明快!
借りぐらしのアリエッティ(2010)
마루 밑의 아리에티(床下のアリエッティ)
ー마루:床、縁側
ー밑:下、中
ー의:~の(所有)
確かに床下で暮らしているので、忠実に表現しているなという感じ。「借りぐらし」という日本語自体も一般的ではないので、わかる気もします。
しかしながら、同時に「面白み」が半減してしまった感も…大事なのは「床下に住んでいること」ではなく、「人間の物を借りながらうまく暮らしている」感じが、楽しさの一つである気がするので、それがまったくわからないタイトルなのはもったいないような気もします…
コクリコ坂から(2011)
코쿠리코 언덕에서(コクリコ丘で)
ー언덕:丘、丘陵
ー에서:~で、~から
언덕は、どちらかというと「丘」という意味合いの方が強いです。「坂道」であれば「언덕길」と表現することもできます。
また~에서は、起点として「○○から」という使い方もできますが、「ここで」という場所を表す「○○で」という意味でもあります。文章があってこれらの使い分けができるので、厳密にいうと「코쿠리코 언덕에서」だけだと、「コクリコ丘で」という場所のイメージの方が強く聞こえます。
いずれにせよ意味合いとしてそこまで大きな違いがあるわけではないので、問題はないと思いますが、やはり日本語の印象とは少し異なりそうです。
風立ちぬ(2013)
바람이 분다(風が吹く)
ー바람:風
ー~이:~が(主語)
ー불다:吹く
これは、日本語タイトルの良さが光りますね。韓国語にしてしまうと何とも味気ない…「風立つ」という言い方と「~ぬ」という古い表現が特徴的で、味があります。
바람이 불다自体は、日常的にもよく使う言葉なので、とても実用的です。笑
かぐや姫の物語(2013)
가구야 공주 이야기(かぐや姫の物語)
ー공주:お姫様
ー이야기:話、物語
もののけ姫は、모노노케 히메なのに、かぐや姫は가구야 공주なんですね~
공주は、「プリンセス、お姫様」という感じの意味合いです。たとえば白雪姫なんかも백설 공주といいます。ディズニーなんかではお姫様がたくさん出てくるのでよく使われる単語ですね!
이야기は、普段「話」という感じで使われますが、こういうタイトルなどでは「物語」というニュアンスでよく使われます。
思い出のマーニー(2014)
추억의 마니(思い出のマーニー)
ー추억:【追憶】思い出
ー~의:~の(所有)
これもそのままの意味です。わかりやすくて訳しやすいタイトルです。
ふとジブリが見たくなる!!
こんなことをやっていると、久々にジブリ映画が見たくなってきました笑 金曜ロードショーくらいでしか見れないかと思ったのですが、DMMとTSUTAYA DISCASでいつでも見れるらしいのです!
動画配信サイトでは、ジブリを見ることはできないのですが、この二つのサービスであればいつでもジブリ作品を視聴できるのでオススメです^^
どちらも一か月間は無料で試せるので、一気見もできちゃいます!笑
まとめ:韓国語っていうか日本語難しくない?笑
こうしてまとめてみると、韓国語より日本語がもっと難しいという気持ちが強くなります笑
日本語は、漢字やひらがな、カタカナ、それに古語なども交えることで、その世界観の微妙なニュアンスを表現することができますが、外国語ではそれがなかなか難しい!
ここまでジブリのタイトルについて考えたことなかったんですが、当たり前のようなタイトルもちゃんとその世界観を投影しているんだなと改めて思いました!
韓国人でもジブリを好きな人は多いみたいなので、会話の助けになればいいなと思います^^邦画はもちろん、ハリウッド映画やディズニー映画なんかも韓国と日本でタイトルが違ったりするので、映画の話をするときにはしっかり事前に確認しておくといいかも◎