韓国語では、知人にしろ他人にしろ、人の呼び方がたくさんあります。普段の生活で自分が使える表現から、韓国ドラマで使われる表現まで、「人の呼び方」について、一覧でまとめてみました^^
今回は、名前と合わせて使う呼び方の他、見知らぬ色々な世代の人に対して呼ぶ呼び方などを紹介しております!韓国ドラマでもよく聞く表現です!これを見て、あわせてドラマもチェックしてほしいです◎
基本の名前の呼び方
日本での「〜さん」にあたる〜씨は、一般的で誰にでも使えます。日本同様、丁寧な意味合いもあるので、初対面やそこまで仲良くない人、お客さんなどに使います。知っている間柄でも、少し敬ったり、まだ少し気心が知れないというか、親しくなりきれていない人に対しても使います。なので、恋愛関係でも知り合いたての時などは、名前+씨で呼ぶのはよくあることです。
〜씨を、さらに丁寧な言い回しにすると、〜님となり、日本語の「様」にあたります。〜님は、名前に付くときは何かのお客様であることが多いかと思います。それだけでなく、〜님は、선생님「先生」의사님「お医者様」부장님「部長」など、役職や職業にもつくことができます。また아버님、어머님など、家族の呼び名にもつくこともできます。
親しい人の名前の呼び方
家族や友達、彼氏彼女などなど、親しい間柄で名前を呼び合うときには、名前によって、呼び方が変わります。
①名前の最後にパッチムがあるとき 〜아
名前の最後がパッチムで終わる名前には”아”をつけます。なので、パッチムが何で終わるかによって音が変わります。
例:재중아(ア)、창민아(ナ)、문별아(ラ)、민석아(ガ)
※()内は、パッチムにつられて変わる発音
②名前の最後にパッチムがない場合 〜야
名前の終わりにパッチムがなく、母音で終わる名前には야をつけます。パッチムいよる音の変化はないので常に「ヤ」。
例:윤호야、준수야
この他に、名前の最後にパッチムがある名前の場合、〜이をつけることがあります。これは、例えば本人がいないときに、名前を出すシチュエーションなどで使われます。これは、語調を整えるような感覚があり、名前に限らず色々な名詞でもパッチムで終わる場合に使われます。
이は、助詞として使われますが、必ずしも助詞というわけでなく、このように語調を整えた上で가を助詞として使うことがあります。
■지민이가 치킨 먹고 싶대.(ジミンがチキンを食べたいって。)
親しい間柄の呼び方
参考書などにもよくある親しい間柄での年上に対する呼び方です。
오빠:女性から親しい年上男性へ
언니:女性から親しい年上女性へ
형:男性から親しい年上男性へ
누나:男性から親しい年上女性へ
これらは、血の繋がりがある兄弟、姉妹だけでなく、彼氏や彼女、先輩、友達など、何にでも使えます。ドラマでは、チンピラの間では형がよく出てきますし、スナックみたいなところの女の人がお客さんのおじさんを오빠って呼んだりもしています。
特に오빠や누나っていうのは、ちょっとしたロマンもあるみたい笑 年下のかわいいorかっこいい子から呼ばれたら、超うれしい!!キュンてする!!みたいなのがあります。なので私も、ぶいくん(ばんたん)や、カイカイ(EXO)に누나と呼ばれてみたいわけです。笑
SHINeeのデビュー曲であった「누난 너무 예뻐(お姉さんはとてもきれい)」はまさにいい例で、SHINeeを当時かわいい年下男子という位置付けで売り出していたんですね。イケメンの子達にこんな風に言われたら누나たちはキュンキュン♡そういう心理を突いた曲であり、日本人が思うより、このワードとイケメン男子の組み合わせは、年上女性の“ときめきイチコロセット”と言えるのです!笑
とにかくこれらは、かなり親しい間柄で使われる呼び方なので、韓国人に対して気軽に使ってしまうと「急激に距離を詰めてきたこわい人」認定されてしまいますので関係性についてはしっかり見極めて使いましょう!笑
その他の呼び方
子供~若い人に対して使う呼び方
꼬마
「子供」のことを意味します。見知らぬそこらへんの小さい子供を呼んだりするのに使われます。「おい、そこの子供」という感じで呼ぶときや、「わかったか、いいな?」と呼びかけるときなどは、야をつけて、꼬마야とも言います。꼬맹이 も同じ意味です。
日本語で子供に対して言う時の、「ガキ」が少し近いかもしれません。꼬마には「ガキ」同様、ちょっとバカにしたり見下す意味合いが含まれるときもありますが、特にそういう意図がないときにも使われます。
(おい、そこの子供!そこで遊ぶな!)
군【君】
子供の男の子などに使います。日本語で言う〇〇君と同じで、男女誰でも使えます。漢字語であり、「君」の韓国語読みです。苗字に付きます。
ただ日本で言う〇〇君ほど、メジャーではない言い回しです。最近では、あまり使われず、年配の人が自分より年下の人に使ったりする程度です。自分から使うことはないかもしれませんが、言われたらわかるくらいにはしておきたいところ。
キルミーヒールミーというドラマでは、리진が신 세기のことを、신군と呼んでいます。2人は同年代ではありますが、子供のようにわがままな세기のことをあえて子供扱いして、こう呼んでいるという感じのようです。
양 【嬢】
군の女の子バージョン。日本で言う“〇〇ちゃん”に近い感じです。漢字語で「嬢」の韓国語読みです。군同様、苗字に付きます。
군と同じく、子供相手に使うか、年配の男性の方がまあまあ離れた女性に使うか、という感じ。オフィスの女王では、고과장が미스 김のことを、김양と呼んでいました。こちらも若い人はあまり使わない表現だと思います。自分の口から言うことがなくても、使われている場面を見ることはあるかもしれないので、知識として知っておくといいかも◎
아가씨
「お嬢さん」という感じ。全然知らないそこらへんのお姉さんや女の子に対して、使う言葉です。いいとか悪いとかのイメージもなく、万人に対して使う表現。自身がアラサーくらいまでの女性であれば、韓国に行ったら呼ばれる可能性がある言葉ですね~!
目上の人に対して使う呼び方
여사【女史】
比較的年配の女性に対して使う言葉。漢字語で「女史」の韓国語読みです。結婚している女性や社会的地位の高い女性に使う尊敬語的な呼び方です。苗字に付きます。
「マダム」のような雰囲気ですかね、女性にだけ使える特有の呼び方で、ただ〜씨と呼ぶよりは、敬っている印象があります。여사님と님「様」を付けることによってさらに敬った表現もあります。
아저씨 / 아줌마
いわゆる「아저씨:おじさん」と「아줌마:おばさん」です、見知らぬそこらへんのおじさんやおばさんのことを指したり、反対にちょっと親しい知ってるおじさん・おばさんのことを指します。例えばお店の人に対してなんかは良く使う表現です。日本と同じように、ちょっと若い人に対して使ってしまうとちょっとショックかも。
他人に使う言葉ながら、良い意味だと親しみ感、悪い意味で言うと馴れ馴れしい感じがしてしまう言葉でもあります。お店などで、おじさんなんかはよく使ったりしますが、若い人がいきなり初対面のお店に使うのは失礼だと思われます。
他にも「このおじさんがいきなり怒鳴ってきた」など、状況説明したりする際は、前述のような馴れ馴れしい感じというのニュアンスは結構なく、単に「中年の男または女だ」という意味で使われます。
(すいません、おばさんここにビール1つください。)
■몇일전부터 이상한 아저씨가 걸어다녀요.
(何日か前から変なおじさんがうろついてます。)
ちなみに아줌마は、아주머니と言うこともでき、少し丁寧な印象になります。
형님 / 누님
형や누나の尊敬バージョンです。「様」にあたる님がついているので結構丁寧ですが、家族に使うというよりは、やくざやチンピラなどの上位の人に対して使っているところをよく見ます。若干、ワルのチーム内で使うイメージが強いです笑 日本で言うと「兄貴」や「姉貴、姉(あね)さん」のような感じかな?
他人に対して使う呼び方
〜분
여러분の분でもあるこの〜분は、日本語でいうところの「方」にあたる感覚です。名前に付けて呼ぶものではありませんが、이 분(この方)、그 분(あの方)、환자분(患者の方)のように使います。これは少し丁寧な言い方になっていて、ぞんざいに言うなら、이 사람、그 사람、환자 となります。
「この人」「この患者」など、ちょっと日本語としてもぞんざいで失礼ですよね。これを和らげるために〜분が使われます。
(この方が有名なお医者様でいらっしゃったんですね。)
■저기 그 분이 경수씨의 아버님이세요.
(あそこのあの方が、ギョンスさんのお父様です。)
당신
「あなた」という意味。夫婦の間柄で使うこともあれば、他人に使うこともあります。夫婦間では奥さんが旦那さんに使うことがあり、丁寧な感じで、日本語でいうところの「あなた」と同じような感じです。
他人に使うと、他人行儀というか、まったく親しくない人とか知らない相手に使われます。ケンカ腰とまでは言わなくとも、特段丁寧な言い回しでもありません。結構他人行儀でちょっと冷たい感じもするので、むやみには使わないほうがいいかも。
その他にも、小説や詩などで、漠然とした「あなた」として使われることもあります。この場合は、그대と似たようなニュアンスです。韓国ドラマのタイトルなどでもよく見る表現で、歌詞などに出てくる「あなた」や「君」と同じ感じです。
■당신이 잠든 사이에
(あなたが眠っている間に*韓国ドラマのタイトル)
그 쪽
그「その」の意味の그と、「~側」の意味の쪽、直訳は「そっち側」。そのまま、“向こう側”を示す意味の言葉でもありますが、人に対して使うこともあり、その場合「お前、あんた、そちら」という感じの呼び方になります。結構雑に扱ったというか、ちょっと上から目線というか、ケンカ腰な雰囲気なので、あまり使わないほうがいいかも。笑 韓国ドラマではよく出てくる使い方です。
恋人や夫婦間で使う呼び方
여보 / 자기야
夫婦や恋人間で使われる「ハニー」的な愛称です。夫婦では여보、恋人では자기야が使われます。日本では名前を呼ぶか、名前から派生したあだ名で呼ぶことが多いと思うので、なかなか共感しにくい感覚ではありますが、とっても仲良しな二人の場合、こういった呼び方が使われることもあります。ドラマなどでは、バカップルが絶対使ってます。笑
ちなみに韓国人のカップルだから必ず使うっていうわけでもありません。韓国人同士のカップルでも名前やあだ名で呼び合うカップルもいっぱいいます。
まとめ:韓国は呼び方がいっぱい
韓国では日本に比べて、他者を呼ぶ呼び方がたくさんあると思います。そもそも日本では、基本的に名前か名前を派生させた呼び方で呼ぶことが多く、韓国の언니、형など名前を使わない呼び方の文化があまりないので、慣れない部分も多いかも。
またここで紹介した呼び名は、参考書に載っていないものも多いです。しかし、日常会話ではよく聞く表現も多く、韓国ドラマではかなり頻出のものばかり。自分の口からは使わなくても、聞いたら知っておきたい言葉ばかりです。似たような文化が日本には存在しない分、なかなかニュアンスをキャッチしにくいところもありますが、そこは韓国ドラマをたくさん見ながら、どんな場面で使われているのか注意しながら見ていくことで、だんだん感覚がつかめるようになってくると思います。ぜひ、これらの呼び方を使えるくらい、韓国に馴染める日がくるといいですね♡