韓国語にも名詞や代名詞を修飾する「連体形」と、動詞や形容詞を修飾する「連用形」の文法があります。今回は、韓国語の連体形と連用形について深く解説していきます!
韓国語の連用形
まずは、連用形!韓国語の連用形は、パターンがなく、いわゆる아/어活用が連用形に当たります。
「連用形」という感じで参考書には載っていないと思うのですが、これがいわゆる連用形です。色々な語尾に繋がる形ともいえます。この活用が使われる文法は主に以下の通りです。
아/어活用について今一度まとめると以下の通りです。
■語幹の母音が陽母音の場合(ㅏ,ㅗ,ㅑ,ㅛ,およびこれらを含む複合母音)
語幹+아(ㅏ)
■語幹の母音が陰母音の場合(ㅓ,ㅕ,ㅜ,ㅠ,およびこれらを含む複合母音)
語幹+어(ㅓ)
韓国語の連体形
韓国語の連体形は、品詞や時制によって形が変わります。場合別に解説していきます。
動詞の現在形の連体形
動詞の現在の連体形は「歩く人」「今はごはんを食べる時間」など現在の事柄として名詞を修飾する形です。動詞のパッチムの有無に関わらず、~는を付けます。
■動詞の語幹+는
いくつかの動詞で例として現在の連体形を作ると以下の通りです。
原型 | 現在の連体形 |
---|---|
하다「する」 | 하는 |
걷다「歩く」 | 걷는 |
먹다「食べる」 | 먹는 |
기다리다「待つ」 | 기다리는 |
보다「見る」 | 보는 |
저기 갇는 사람 봐요.
(あそこの歩いてる人見てください。)
지금은 밥 먹는 시간이야.
(今はごはんを食べる時間だよ。)
動詞の過去の連体形
過去の連体形は、動詞を行った時点が過去であるときに名詞を修飾する形です。後に説明する過去完了と似ていますが、過去の連体形は「ある過去の一時点」で行われた動作である、ということがポイントです。
過去の連体形は、前に来る語幹のパッチムの有無に合わせて、~은,ㄴが付きます。
■語幹にパッチムがない場合
語幹+ㄴ
■語幹にパッチムがある場合
語幹+은
原型 | 過去の連体形 |
---|---|
하다「する」 | 한 |
걷다「歩く」 | 걸은 |
먹다「食べる」 | 먹은 |
기다리다「待つ」 | 기다린 |
보다「見る」 | 본 |
※걷다は、ㄷの変則活用が使われます。変則活用については、別記事「語尾別活用の種類と変則活用」を参考ください。ここでは、過去の連体形では은が付くことが分かってもらえればOKです。
이건 제가 그린 그림이에요.
(これは私が書いた絵です。)
내가 어제 보낸 문자 봤어?
(私が昨日送ったメール(ライン)見た?)
動詞の未来の連体形
日本語ではなかなか意識しづらい文法の一つである未来形ですが、連体形でもポイントとして「まだ起こっていない」「これからする予定」という観点が挙げられます。
未来の連体形は、前の語幹のパッチムの有無に合わせて~을,ㄹが付きます。
また未来の連体形は、よく意思や推量などの語尾に続く形として使われることも多いです。例えば、~ㄹ거야.(~するぞ!【強い意志】)や~ㄹ게.(~するよ【強い意志】)などがあります。
■語幹にパッチムがない場合
語幹+ㄹ
■語幹にパッチムがある場合
語幹+을
原型 | 未来の連体形 |
---|---|
하다「する」 | 할 |
걷다「歩く」 | 걸을 |
먹다「食べる」 | 먹을 |
기다리다「待つ」 | 기다릴 |
보다「見る」 | 볼 |
내년에는 꼭 유학할거야!
(来年は絶対留学するぞ!)
병원은 내일 갈 예정인데요?
(病院は明日行く予定ですけど?)
動詞の過去完了の連体形
過去完了の連体形は、日本語にすると過去の連体形と似たように思えますが、現時点ではすでに完了している(=今はその動作は行われていない)、またはある過去の時点から別の過去の時点まで継続していた内容を表すときに使います。
これに対し過去の連体形は、あくまで過去の一時点のみの動作を表しており、現時点でそれがどうなっているかについては、あまり意味しないところが、過去完了との差異です。
また過去完了には、過去を思い出したり懐かしむようなニュアンスがあるときがあります。
過去完了の連体形は、語幹の形に関わらず~던を付けます。また。過去形と合わせて~ㅆ던となることがあり、さらに思い出すようなニュアンスが強くなります。
【過去完了①】
語幹+던
【過去完了②】
語幹+아/어+ㅆ던
原型 | 過去完了の連体形① | 過去完了の連体形② |
---|---|---|
하다「する」 | 하던 | 했던 |
걷다「歩く」 | 걷던 | 걸었던 |
먹다「食べる」 | 먹던 | 먹었던 |
기다리다「待つ」 | 기다리던 | 기다렸던 |
보다「見る」 | 볼 | 봤던 |
여기는 우리가 살던 동내예요.
(ここは私たちが住んでいた町です。)
이 빵, 학생 때 자주 먹었던 빵이다.
(このパン、学生のときよく食べていたパンだ。)
形容詞の連体形
「かわいい」「涼しい」などの形容詞を連体形にする場合は、時制に関わらず~은,ㄴが付きます。
■語幹にパッチムがないとき
形容詞の語幹+ㄴ
■語幹にパッチムがあるとき
形容詞の語幹+은
原型 | 形容詞の連体形 |
---|---|
시원하다「涼しい」 | 시원한 |
예쁘다「かわいい」 | 예쁜 |
아프다「痛い」 | 아픈 |
높다「高い」 | 높은 |
밝다「明るい」 | 밝은 |
진짜 예쁜 꽃이네!
(本当にきれいな花だね!)
제일 높은 데 가보자!
(一番高いところに行ってみよう!)
名詞(指定詞)の連体形
名詞を連体形にする場合は、이다「~である」という指定詞を入れて連体形にします。時制別の指定詞の連体形は以下の通りです。「学生である()」を例に時制に合わせて連体形を作ってみると…
原型 | 학생이다 |
現在連体形 | 학생인 |
過去連体形 | 학생이던 |
過去完了連体形 | 학생이었던 |
未来の連体形 | 학생일 |
그 때 초딩이었던 윤아가 벌써 스무살이니?
(あのとき小学生だったユナがもう二十歳なの?)
これに対し、「○○ではない~」という感じで、名詞+否定の連体形としたい場合には、指定詞이다ではなく、否定詞の이/가 아니다を使います。이/가は助詞の「が」に当たる部分で、前に来る名詞のパッチムの有無にあわせて使い分けます。아니다の連体形は以下の通りです。
原型 | 학생이 아니다 |
現在連体形 | 학생이 아닌 |
過去連体形 | 학생이 아니던 |
過去完了連体形 | 학생이 아니었던 |
未来の連体形 | 학생이 아닐 |
성인이 아닌 분은 들어갈 수 없습니다.
(成人でない方は入ることができません。)
まとめ:連体形は本当によく使う!
連体形は、「歩いている人」など名詞を修飾する形としてよく使うこともさることながら、色々な語尾に続く形としても本当によく使う文法です。
でありながら、時制があやふやな日本人にとっては、この時制別の連体形の作り方が時に難しく感じることがあるのも事実…特に、過去形と過去完了は違いを理解するのが結構難しいように思います。(私もいまだに難しく感じます笑)
時制を間違ってしまったら全然伝わらない、ということはないので、必要以上に負担に感じることはしなくても大丈夫ですが、きれいな韓国語のためにはしっかり押さえておきたい文法です。
原理として覚えることも大事ですが、たくさんの生きた会話に触れながら、具体的なセリフを通して時制の感覚を掴むのが一番ナチュラルな表現を学べるように思います!