質問するときに欠かせない「いつ」「どこ」「誰」などの疑問詞。前回は、疑問文の作り方について解説しましたが、今回はその疑問文を作る上で必須な疑問詞を一覧にしてみました!
疑問詞とは
「いつ」「どこ」など、場所や時間、理由などを聞きたいときに使う語のことです。答えがYESかNOでは終わらない質問で使われ、知りたいことを詳細まで聞くことができます。
韓国語でも疑問詞があります。質問の幅が広がり、会話でも必須な言葉ですので、しっかりおさえておきましょう!!また韓国語の疑問詞は、疑問文以外でも頻繁に使われるので、この記事では、そういったところまで踏み込んで解説したいと思います。
韓国語での疑問文の作り方は、別の記事で詳細までまとめています!
疑問詞一覧
언제「いつ」
時を問う疑問詞です。쯤「~ほど、~ころ」という言葉と一緒に使うこともよくあります。
언제 오셨어요?(いついらっしゃったんですか?)
언제 오셨어요?(いついらっしゃったんですか?)
派生語:
언제든지「いつでも」、언제나「いつも、いつでも」、언제까지「いつまで」、언제까지나「いつまでも」、언젠가「いつか」
어디「どこ」
場所を問う疑問詞。これも쯤「~ほど、~ころ」という言葉と一緒に使うことがあります。
어디 가요?(どこ行くの?)
지금 우리 어디쯤에 있을까.(今私たちはどの辺にいるのか。)
派生語:
어딘가「どこか」、어디든「どこでも」
누구「誰」
人物を問う疑問詞です。また物事に関わる人物や、物を所有する人物を問う場合にも使います。
당신 누구세요?(あなた誰ですか?)
누구 책이에요?(誰の本ですか?)
派生語:
누군가「誰か」、누구나「誰でも」
누가「誰が」
누구から派生した疑問で、「~が」の助詞が付いた言葉です。動作の主体である人物を問います。
그런 헛소리를 누가 했는거야?(そんなくだらないことを誰が言っているの?)
무엇(略して뭐)「何」
全般的な物事を問う疑問詞。ほとんどの場合は略して뭐を使います。
이거 뭐에요?(これはなんですか?)
変わった使い方として、뭔 소리야. 「どういうことだ。」という言い方があります。소리は「音」という意味がありますが、転じて「話、言葉」という意味があり、この直訳は「何の話だ。」になります。相手が何のことを話しているのはわからないときや、ちょっと理解できないときなどによく使います。
派生語:
뭐든「何でも(すべて)」、뭔가「何か」
왜「なぜ、どうして」
理由を問う疑問詞です。
거기 왜 갔어?(そこにどうして行ったの?)
単に理由を聞くのとは別に「どうしたの?」というニュアンスで使われるのも特徴です。왜?だけでも使いますが、왜그래?が「どうしたの?」としてかなりよく使われます。それが派生して指示代名詞を変えて使うこともできます。
◆왜?「何?どうしたの?」
相手の様子がおかしいときなど。
◆왜이래?「どうしてこうなの?」「どうなってんの」
自分に近いところで何かやっている場合や、自分に対して何かをやってきたとき。
◆왜그래?「何?」
一般的な距離感で、相手が何かしている、または様子がおかしいときに。普通に「どうしたの?」という感じ。
◆왜저래?「なにあれ?」
結構遠くの方で何かやっているのが気になるとき。
어떻게「どうやって」
具体的方法を問います。
어떻게 그걸 알았어요?(どうやってそれを知ったんですか?)
어떡해「どうしよう」と、ほとんど同じ発音ですが、元になっている動詞は、어떠하다「どうである」と어떡하다「どういうふうにする」なので違います。
어때「どう」
相手の所感や感想を問います。어떠해の略で、会話でとてもよく使われます。
이거 새로운 옷인데 어때?
(これ、新しい服なんだけどどう?)
어떤「どんな」
物事・人物の特徴や特性を問います。これも어떠한の略です。
너의 여자친구는 어떤 사람이야?
(君の彼女はどんな人なの?)
어느「どの」
限りある品数の中から選ぶものを問う疑問詞です。後に品物にあたる名詞が続きます。
어느 형수가 좋아하세요?
(どの香水が好みですか?)
基本的にどんな品物についても使えますが、以下はとてもよく使うので、一つの疑問詞として覚えてもいいと思います。
어느 것「どのもの」
어느に「物」の意味の것が続いた形。比較的「物」であればなんにでも使える。
어느 것이 좋아? 골라 봐.
(どれがいい?選んで。)
어느 쪽「どちら」
어느に「側」の意味の쪽が続いた形。方向を問う、または2つからものを選ぶ。
서울역은 어느 쪽 가면 돼나요?
(ソウル駅はどちらに行ったらいいですか?)
이거랑 이거. 어느 쪽이 더 싸요?
(これとこれ、どっちがもっと安いですか?)
무슨「なんの、どんな」
物事の内容を問います。어떤と似たようなニュアンスです。
무슨 소리야.(どういうことだ?)
오늘은 무슨 요리 만들까?(今日は何の料理を作ろうかな?)
어떤と違うところは、反語的な使われ方がよくされるというところ。
아는 여자라니 무슨 여자야!
(知ってる女ってどんな女だよ!)
例えば、A子とB男が付き合っているのに、B男とC子が一緒にいるのをA子が目撃、「あの女は誰?」と聞いたら「知り合いの女の子だよ」とB男が答えたので、↑のセリフを言ったとします。笑
このときのセリフの意味自体は上記の通りですが、含まれてる意味としては「知り合いとか言って、これもう浮気だよね!ただの知り合いの女と二人で歩くわけないだろ!そんな女あるかい!」(ここではこの真偽は置いといて。笑)っていう感じを踏まえた「それってどんな女だよ!」という使われ方です。
これが어떤 여자야になると、上記のような決めつけた主観を主張するよりは、本当に「どんな特徴の女なのか、どんな関係の女なのか」を具体的に問うニュアンスの方が強くなります。
このように무슨には、自分の言いたいことを反語で言うことで、強調するような使われ方があります。
몇「いくつ」
数を問う疑問詞です。これ疑問詞の後に、数を数える単位が続きます。
몇 분이세요?
(何名様ですか?)
내일 몇시에 만날까?
(明日何時に会おうか?)
韓国語で数の数え方は漢数詞と固有数詞があり、単位によってどちらを使うか決められていますが、数を聞く疑問詞は基本すべてこの몇を使います。数については以下の記事を参考にしてください!
얼마「どれだけ」
量を問う疑問詞です。転じて、値段や金額を問う疑問詞としても使います。
이거 얼마예요?(これはいくらですか?)
너 이 일 시작한지 얼만데?
(お前、この仕事初めてどれくらいだ?)
↑ちなみにこの聞き方だと、「(結構長いことやってるだろ、その割に全然できてないじゃん)」的な内容を揶揄したような言い方です。笑
얼마は、特に韓国語を勉強したてだと値段を聞くイメージがかなり強いかもしれませんが、意外とざっくりとした量や期間を聞くときにはよく使われます。あとは、以下の派生語はさらによく使われます。
自分の口から使えるようになるには、時間がかかってもいいとは思うんですが、相手が使ってくる可能性が高いので、聞いたらわかるようになりたいところですね!
派生語:
얼마나「どれほど」、얼마든지「いくらでも」
어찌「どうして、どうやって」
理由や方法を問う疑問詞。어떻게と似ていて、어떻게の方がよく使われます。
이 문제 어찌 풀었니?
(この問題をどうやって解いたの?)
派生語:
어찌어찌「なんとかして」
어째서「どうして、どうやって」
理由を問う疑問詞です。왜と似たような感じで、왜がもっとよく使われます。
어째서 이런 일 한거야?
(どうしてこんなことしたの?)
웬「どうした、どんな」
物事の出所や背景を問います。
웬 일이에요?(なんですか?)
このフレーズは会話でもよく聞く言葉です。騒ぎを聞きつけたり、物音がしたりして「何があったんですか?」と聞くときのフレーズです。
이거 웬 돈이야!
(これは何の金だ!(どこからもらった、なんのお金なのか?))
어떤も「どんな」という意味がありますが、어떤は見た目や種類などそのものの情報を聞いている感じが強く、웬はどちらかというとそういうことはあんまり意図していなく、どういった経緯や理由、思惑などがあって今ここにあるものなのか、というのを聞いているようなニュアンスがあります。
疑問詞の疑問文以外の使い方
疑問詞は、疑問文以外でも使われます。知ってるとさらに韓国人っぽくなれるかも!
反語
反語とは、「○○だろうか(いや、そうではない)」という言い回しで、実際口にしている部分は疑問文のような形をしていながらも()内が本来の自分の主張であり、それを強調して伝えたい意図があります。日本語でもよくあり、「そんな奴いるか?」=(そんな奴いるわけない。)みたいな感じです。
韓国語ではこういった反語の表現は本当によく使われます。어떻게、누가、어디、왜を使ってこういった反語の表現をすることが多いです。
어떻게 나한테 이럴 수가 있어?
(どうしたら私にこんなことができるの?(できるわけない、こんなことするなんて信じられない。))
누가 너랑 사귀겠니?
(誰がお前と付き合うんだよ?(そんな人いないよ。))
↑ひどすぎ笑
너같은 사람이 또 어디 있어?
(君みたいな人がどこかほかにいる?(いや、いるわけない。))
強調
言いたいことを強調するときにも疑問詞が使われます。日本語でも、「知らない人が触ったもの」と言いたいとき、「誰が触ったかわからないもの」とか言いますよね?そうすると、話し手の嫌悪感が一層強く聞こえますが、同じような感覚。
他の言葉や形容詞で表現できるところ、疑問詞を使って話すことによって、話し手の伝えたい気持ちの度合いが強調されます。
누가 쌌는지 모르는 건 저는 안 써요.
(誰が使ったかわからないものは、私は使いません。)
몇일동안 찾았는데 못 찾아요.
(何日も探したのに見つかりません。)
~, 무슨
무슨は、誰かにはやしたてられたり、ひやかされたときに、「そんなことないよ」「そんなんじゃないよ」とやんわり否定したり、くだらないと一蹴したり、卑下するときに使う表現です。
그 애, 니 여자친구야?
(あの子、お前の彼女?)
에이, 여자친구라니 무슨.
(か、彼女なんて、そんなんじゃないよ。)
잘 공부해야 좋은 어른이 돼지!
(ちゃんと勉強しないといい大人になれないよ!)
짜증나, 공부따윈 무슨.
(むかつくわ、勉強がなんだよ。)
前に付く助詞は~은,는が多いですが、~따윈(~なんて)もよく使われます。
얼마 안~
これも韓国語独特の表現です。時間や量、価値などを過少に言う表現です。直訳しようとすると얼마の表現が難しいときもあるので、「想定より少ない、言う程でもない量」というニュアンスで覚えておくといいと思います。
이 가방 사고 얼마 안 됐잖아.
(このカバンを買って、まだそんなに経ってないじゃん。)
너 다 먹었니? 얼마 안 남았잖아!
(お前全部食べたの?全然残ってないじゃん!)
얼마 안 되는 선물인데요…
(心ばかりの贈り物なんですが…)
얼마 안 되는 돈때문에 싸우지 말고…
(いくらもないお金のことで争わないで…)
まとめ:疑問詞は奥が深い
英語で言う疑問詞って5W1Hとか言われるくらい、結構シンプルなイメージですが、韓国語の疑問詞は結構多い。そして、色んな使われ方がありますね。基本の疑問詞から派生した単語もとても似ているので合わせて覚えておくといいと思います。
疑問文での使い方は難しくないと思うので、ぜひ実践のコミュニケーションでもたくさん使いたい表現。疑問文以外の使われ方は、すぐにはできなくても、別の言葉でも表現できるので、そんなに問題はありません。ただ使えるようになると一気に韓国人っぽくなるのも事実。
韓国ドラマでもよく聞く表現なので、ドラマやバラエティを見ながら、細かいニュアンスを把握し、ちょっとずつ自分の言葉にできるといいのかなと思います!!