自分の経験を話たり、相手の経験を問う表現、“経験”。自己紹介はもちろん、相手と仲良くなるにあたっての質問などで、役立つ表現です。今回は、そんな韓国語での「経験」の表現について学びましょう。
”経験”とは?
これまでの自分の人生の中で経験したことがある内容を説明する言い方です。日本語では「~したことがある」「~したことがない」という感じ。また、「~したことがありますか?」と相手にその経験を問うことも含まれます。
パッと考えただけでも、「韓国に行ったことがあります。」とか「留学したことはありません」とか自己紹介とかでも使えそうな表現ですね!
基本的な表現
「~したことがある/ない」は、韓国語では、以下のように言います。
~적이 있다「~したことがある。」
~적이 없다「~したことがない。」
적自体には、「~の時、~のこと」という意味がありますが、この表現で使われることが多いです。적이の이は、「~が」の助詞に当たる部分なので、省略してもOKです。口語ではよく省略されています。
前に来る動詞は、「経験したこと」なので、過去の連用形~ㄴまたは~은が来ます。
●パッチムがない動詞:가다+~ㄴ
한국에 3번 간 적이 있어요.(韓国に3回行ったことがあります。)
미국에는 헌번도 간 적이 없어요.(アメリカには一度も行ったことがありません。)
●パッチムがある動詞:먹다+~은
한국요리를 먹은 적이 있어요.(韓国料理を食べたことがあります。)
그 요리는 먹은 적이 없어요.(その料理は食べたことがありません。)
加えてこれは、過去連用の活用の特性ですが、ㄹで終わる動詞の場合はㄹが脱落し、~ㄴが付きます。
●ㄹで終わる動詞:울다→ㄹが脱落+~ㄴ
회사에서는 운 적이 없습니다.(会社では泣いたことがありません。)
있어요.や없어요.は、普通の存在詞の感覚と変わりません。なので、~거든.(~なんだよね)、~잖아.(~じゃないか。)などなど、好きな語尾を付けることができます。
나도 알바한 적이 있거든!
(私だってバイトしたことあるんだから!)
민석씨는 유럽 간 적이 있잖아요.
(ミンソクさんは、ヨーロッパに行ったことがあるじゃないですか。)
経験の疑問文
「~したことがありますか?」と、経験を問う疑問の聞き方は、最後の語尾を上げて「?」を付ければいいだけです。
한국에 간 적이 있어요?
(韓国に行ったことがありますか?)
語尾に~나(요)?「~なの?」など疑問の語尾を付けることもできます。そのほうが「疑問文である」という感じがわかりやすいかもしれないですね。
그 도서관 간 적이 있나요?
(その図書館に行ったことがありますか?)
よく言うフレーズ
この「経験」の表現を使った会話でよくあるフレーズを紹介します。
~본 적이 있다.「~してみたことがある」
「見る」という意味の보다を付けた表現です。動詞+보다の形にすると、単にその動詞をするというよりは、「やってみる」というTRYな雰囲気が付け加わります。
韓国語では、「○○へ行ったことがありますか?」や「これをやったことがありますか?」など、過去に1度はあったかどうか、を問うシチュエーションでは、この보다を付け加えた形で聞くことが多いです。
この形は韓国人が非常によく使う表現なので、これがさらっと使えると韓国人っぽいかも◎
등산 해 본 적이 있어?
(登山したことある?)
自分のことについての肯定文でも使うこともできます。その場合、「やろう!と思って試しにやってみました。」「やってみたいなと思っていたことにチャレンジしてみました。」という感じのニュアンスになります。なので、その一文で終わるというよりは、「○○してみたんですけど、××でした」みたいな感想や考察が続くことが多いように思います。
미국에 가 본 적이 있어요.
(アメリカに行ったことがあります。)
※行きたくて1度行ってみた、という感じ。미국에 간 적이 있어요.だと、自分の意思とは関係なくたまたま行ったことがある、とか、頻繁に行くので行ったことはありますよ、という感じ。
~적도 없어?「~したこともないの?」
적이 없다の助詞~이(が)を、~도(も)に変えた表現です。日本語と同じような感覚で、「そんなこともしたことないの?」という感じで、最低限それくらいはやっているだろうと思われることができていない、と言いたいとき使います。
남자랑 사귄 적도 없어?
(男と付き合ったこともないの?)
自分についての肯定文として使う場合は、「こんなこともやったことないなんて、情けない」くらいの気持ちが感じられます。
이제 서른인데 키스도 한 적이 없다니 너무 한심하다.
(もう30歳なのに、キスもしたことないなんて、とても情けないわ。)
“経験する”という単語
경험하다「経験する」
漢字語で、「経験」の韓国語読み+하다で「経験する」という意味の動詞です。ちょっと堅い印象の言葉遣いになってしまうので、日常会話ではあまり使わないです。もちろん경험「経験」という名詞だけでも使うことができます。
公的な文書とか、難しい論文とかでは出てくるかなという感じ。普通の会話では、~적이 있다/없다が自然です。
겪다「経験する、経る」
この単語はどちらかというと、「難しいことやつらいことを経験して」とか「誰かと一緒に乗り越えた」みたいなシチュエーションでよく使われる言葉です。何かを単発で1回やる、というよりは、長い時間を費やしながら経験した、というニュアンスがあります。
ということで単に、「~したことがある」という感じではあまり使いません。
이 힘든 일을 같이 겪고 볼래?
(このつらい仕事を一緒に乗り越えないか?)
믾은 고통을 겪고 지금의 내가 있다.
(たくさんの苦痛を経て、今の自分がある。)
まとめ:経験の表現は基本的に1こだけ!
韓国語で経験を表す表現は、この「~적이 있다/없다」だけなので、簡単です!!있다/없다は、いつも通りの単語なので、語尾も色々変えられるし、汎用性の高い表現です。
冒頭にも書きましたが、経験を問う表現は、新しいお友達なんかと、仲良くなるための質問なんかでもよく使える表現です。自分も聞かれることあるだろうし!
最後の項目で紹介した겪다は、個人的には結構難易度高めの単語だと思うので、ゆくゆくわかれば大丈夫。とりあえず「~적이 있다/없다」をマスターできれば、経験は万事OKといえるでしょう♡