韓国語にも漢字を基にした単語がたくさんあります。韓国語の単語力を効率的に増やしていくために、この漢字語を使わない手はありません!!
実は、同じ漢字を基にしているだけあって、日本語の発音と韓国語の発音には、おおまかなルールのような傾向があります。これを抑えておくと、発音に迷いにくく、覚えやすくなります!!
今回は、この漢字語の発音ルールと単語の覚え方について解説したいと思います。
漢字語とは?
まずこの“漢字語”について説明しましょう。韓国でも、元は漢詩を使って言葉を書いていましたが、一般庶民の読み書きとしては非常に難しかったので、ハングルという韓国独自の文字を作ったそうです。
ということで、日本語と同じように韓国語も元々は中国の言葉から由来しているので、漢字を基にした単語がたくさん存在します。
日本では、一つの漢字についてたいてい「音読み」「訓読み」があり、しかもそれぞれに複数の読み方があったりしますが、韓国語では基本的に、一つの漢字につき一つの発音しかありません。
なので、同じ漢字を基にした単語であれば、常に発音は同じ。単語の発音を覚える手間が省けます。また、読み方にも一定の法則があるので、知らない単語でも、なんとなく基になっている漢字の熟語が想像できたりするわけです。
しかも日本語の音読み発音と似ているものも多く、一度で覚えられてしまうような単語も多いのです。
なので、この漢字を基にしている単語は、この基になっている漢字を意識しない手はありません。ここをちょっと意識するだけで、一気に単語を覚える手間も省けますし、つらい思いをせずとも単語力が伸びていくというわけです!
韓国語での漢字の読みの法則
漢字に対する韓国語の発音には、ある程度の法則があるので参考になります。実は漢字語の読み方について、全部が全部そうだという規則があるわけではないのですが、日本語読みと相関関係がありそうな傾向もあります。
決まりではないのですが、覚えたり連想しやすくなりますので参考までに…
日本語読みが「う」「い」で終わる漢字は「ㅇ」で終わる
日本語の音読みが「う」「い」で終わる漢字は、韓国語読みにおいて「ㅇ」で終わる傾向があります。
明(めい)→명:조명「照明」실명「失明」
声(せい)→성:확성기「拡声器」음성「音声」
用(よう)→용:전용「専用」용건「用件」
当(とう)→당:당연「当然」담당「担当」
中(ちゅう)→중:중국「中国」중앙「中央」
常(じょう)→상:이상「異常」비상「非常」
その他にも…
東(とう/동)方(ほう/방)同(どう/동)堂(どう/당)江(こう/강)
日本語読みが「ん」で終わる漢字は「ㄴ」で終わる
日本語の音読みが「ん」で終わる漢字は、韓国語読みにおいて「ㄴ」で終わる傾向があります。
新(しん)→신:신라「新羅」신문「新聞」
間(かん)→간:인간「人間」시간「時間」
現(げん)→현:현대「現代」현실「現実」
変(へん)→변:변신「変身」변태「変態」
その他にも…
漢(かん/한)関(かん/관)神(しん/신)銀(ぎん/은)
日本語読みが「ん」で終わる漢字は「ㅁ」で終わるものも
日本語の音読みが「ん」で終わる漢字は、前述で「ㄴ」で終わると説明しましたが、「ㅁ」で終わるものも結構あります。
禁(きん)→금:금지「禁止」
心(しん)→심:심장「心臓」인심「安心」
音(おん)→음:음암「音楽」발음「発音」
任(にん)→임:책임「責任」
その他にも…
緊(きん/김)金(きん/금)飲(いん/음)険(けん/험)監(かん/감)参(さん/참)
日本語読みが「く」「き」で終わる漢字は「ㄱ」で終わる
日本語の音読みが「く」や「き」で終わる漢字は、韓国語読みにおいて「ㄱ」で終わる傾向があります。
覚(かく)→각:감각「感覚」각서「覚書」
学(がく)→학:학교「学校」학생「学生」
復(ふく)→복:복수「復讐」회복「回復」
力(りき)→력:채력「体力」노력「努力」
式(しき)→식:구식「旧式」결혼식「結婚式」
他にも…
北(ほく/북)楽(らく/낙.악)目(もく/목)白(はく/백)足(そく/족)策(さく/책)職(しょく/직)食(しょく/식)服(ふく/복)客(きゃく/객)確(かく/확)博(はく/박)育(いく/육)壁(へき/벽)石(せき/석)席(せき/석)責(せき/책)液(えき/액)益(えき/익)
日本語読みが「つ」で終わる漢字は「ㄹ」で終わる
日本語の音読みが「つ」で終わる漢字は、韓国語読みにおいて「ㄹ」で終わる傾向があります。
絶(ぜつ)→절:절대「絶対」거절「拒絶」
熱(ねつ)→열:열심「熱心」열정「熱情」
結(けつ)→결:결혼「結婚」결국「結局」
発(はつ)→발:발산「発散」발표「発表」
達(たつ)→달:달성「達成」배달「配達」
その他にも…
密(みつ/밀)鉄(てつ/절)必(ひつ/필)殺(さつ/살)室(しつ/실)説(せつ/설)乙(おつ/을)骨(こつ/골)実(じつ/실)撮(さつ/찰)脱(だつ/탈)
日本語読みが「ai」になる漢字は「エ」の発音になる
日本語の音読みが「ai」になる漢字、つまり読み方が「あい」「かい」「さい」…などの漢字は韓国語読みにおいて母音が「エ(애)」になる傾向があります。
海(かい)→해:해양「海洋」해변「海辺」
大(だい)→대:대회「大会」대학교「大学(校)」
内(ない)→내:내장「内臓」실내「室内」
敗(はい)→패:실패「失敗」
必ずしも「애」のスペルになるわけではありませんが、発音としては「エ」に近いものになりやすい傾向があります。その他の発音には、下記のようなものがあります。
回(かい)→회:회복「回復」초회「初回」
会(だい)→회:대회「大会」회사「会社」
済(さい)→제:결제「決済」구제「救済」
その他にも…
哀(あい/애)界(かい/계)開(かい/개)再(さい/제)対(たい/대)体(たい/체)配(はい/배)毎(まい/매)来(らい/래)在(ざい/제)外(がい/외)倍(ばい/배)台(だい/대)題(だい/제)
漢字語を使って単語力を伸ばそう
日本語の音読みと韓国語読みの相関関係が見えてきましたね!まずはこれらの傾向を踏まえた上で、さらにどうボキャブラリーを増やしていくか!
先ほども書いた通り、基本1つの漢字に対する韓国語読みは1つ!同じ漢字が使われていれば、いつでも読み方は同じというわけです。
なので、1つの漢字の読み方を覚える→その漢字を使った熟語を覚える→さらにその熟語に使われている漢字の読み方を覚える→またその漢字を使った熟語を覚える…こんな感じで、ボキャブラリーを増やしていけますよ!
図のようなイメージ。連鎖的に熟語のボキャブラリーが広がります!
日本語と同じように、熟語+する(하다)で動詞が作れるものもあります。(図の中では、「運動する(운동하다)」「運転する(운전하다)」など)
他にも、漢字一字で単位になるもの(「~名(명)」「~日(일)」など)や、漢字一字+する(하다)で動詞になるもの(「関する(관하다)」など)などもあります。
熟語以外にも、漢字を使った単語はたくさんありますので、ぜひ意識してみましょう!!
日本語と似ている漢字語
韓国語には、漢字の読み方が日本語と似ているため、単語としてもほとんど日本語と変わらない単語が結構あります。今回は日常でよく使われる単語をご紹介します。これらは基になっている漢字も日本語と同じです。
시간「時間」 중요「重要」
무리「無理」 무료「無料」
의미「意味」 관리「管理」
관계「関係」 과거「過去」
가치「価値」 이유「理由」
日本語と違う漢字を使っている熟語
必ずしも基になっている漢字が日本語と同じとは限りません。日本語で使っている熟語をそのまま韓国語読みにしても成り立たない言葉もたくさんあります。
日本語にはない熟語によってできている漢字語をご紹介。日常会話でよく使われるので、別途覚えましょう!
용서【容赦】:許すこと
월급【月給】:給料
직원【職員】:社員
식구【食口】:家族(家族とほぼ同じような存在のことも含む)
백수【白手】:無職
인사【人事】:挨拶
조심【操心】:注意・用心
억울【抑鬱】:悔しく残念なこと
소문【所聞】:噂
귀신【鬼神】:お化け・幽霊
まとめ:漢字語はものすごく多い
やはり中国語からできた言葉なだけあって、韓国語単語の中でも漢字語のものは本当に多いです。大体読み方を覚えてくると、初めて出会った単語でも、読みから基になっている漢字を想像して、意味まで大体把握することができるようになったりします。
漢字語を意識しておくととにかく楽で、とにかく得!日常会話でももちろんよく使われていますが、文書や記事などだとより漢字語がよく使われています。これは日本語でも同じことですが。
ここで紹介したポイントはあくまで“傾向”であって、“決まり”ではありません。なので、この傾向にあてはまらない漢字語もあったりしますので、そこも覚えておいてください!
本来漢字語の由来を紐解いていくと、もっともっといろいろあるみたいなんですが、ここでは、実用的な範疇でさらっと説明させていただきました。気になる方はもっと調べてみると、それはそれでとっても興味深いかもです。
あまり意識していない単語も実は漢字語だったりもします。新しい単語に出会う度に漢字語なのかチェックして、単語そのものというよりは、漢字の読み方として覚えていくと自然とボキャブラリーも広がります!ぜひ意識してみてください^^